新馬戦〜ホープフルS
父ディープインパクト、母ロードクロサイトの間に誕生したコントレイル。デビュー前は脚部不安により一時期調教を控えるなど頑丈とは言い難い馬であった。
2019年8月に矢作厩舎に入厩、9月15日に新馬戦を単勝1.7倍の1番人気で迎え、その期待に応えて完勝で初勝利を挙げる。鞍上は福永祐一で、これが運命的な人馬の出会いとなる。
なお、この新馬戦以来20年のジャパンカップを迎えるまでは継続して1番人気であった。
続いて出走した東京スポーツ杯2歳Sでは騎乗停止中の福永祐一ではなくR.ムーアを鞍上とするが、これを芝1800mの2歳レコードで完勝。
この後のホープフルステークスでは福永を鞍上に戻し、G�欺蘊〕�。無敗のまま最優秀2歳牡馬に選出された。
三冠へ
皐月賞では好位につけるレースで4コーナーを回ったところで先頭に立ち、同じく無敗のままレースに臨んだライバル・サリオスとの叩き合いに
半馬身差で勝利し、まず一冠。
東京優駿（日本ダービー）ではそのサリオスに今度は
3馬身の差を付けて完勝した。
三冠を前に前哨戦として神戸新聞杯を単勝1.1倍の圧倒的人気で勝利。コントレイルの三冠は確実なものと思われていた。
そして臨んだ菊花賞。
第4コーナーを回り最後の直線でコントレイルは早くも先頭に立つが、徹底的なマークを続けるアリストテレスに外から並びかけられてしまう。
しかし、200m以上に及ぶアリストテレスとの叩き合いを
クビ差で振り切り、苦しみながらも
史上初の無敗の親子三冠(クラシック三冠は8頭目、無敗でのクラシック三冠は3頭目)を達成した。
連敗
その後、古馬との初対決はジャパンカップを選択。
同レースで引退を表明していたGI8勝の名牝・アーモンドアイに初めて1番人気を譲ることとなる。
レース終盤には出走馬最速の上がりを記録し同世代の三冠牝馬・デアリングタクトに先着するものの、先に抜け出したアーモンドアイに1 1/4馬身届かず生涯初の敗戦を喫する。
4歳になり初のレースとなった大阪杯では大雨で荒れた馬場に苦しみ、無敗の牝馬・レイパパレの逃げ切りを許す。更には自慢の末脚を欠き、道悪を得意とする伏兵馬・モズベッロにも終盤に差されて3着に終わってしまう。
この敗戦で大きく消耗したコントレイルは夏に予定されていた宝塚記念の出走を回避し、天皇賞(秋)に出走することとなる。
同年の皐月賞馬・エフフォーリアとマイルの最強女王・グランアレグリアを含めた三強対決が予想され、その中でも1番人気に推されるが、エフフォーリアを差し切ることが出来ず2着に敗れる。
ラストレース
天皇賞(秋)の時点で既に年内での引退が発表されており、7連勝後の3連敗という負けられない状況でコントレイルはラストランを迎えることとなる。
三冠後にG�気鮠〕�することなく引退した馬はおらず、この時点でコントレイルについて「同世代が弱かったから三冠を取れただけではないか」という能力について懐疑的な意見も少なくなかった。
その中でコントレイルは1枠2番という絶好枠で最後のレースへと赴く。このレースはコントレイルを含め4頭のダービー馬が出走しており、また菊花賞でデッドヒートを繰り広げたライバル・アリストテレスも出走していた。
中盤にスパートを掛けてハナを奪ったキセキがペースを乱す中、コントレイルは掛かることなく中段で脚を溜め、最後の直線で外に持ち出す。
同期の強豪・オーソリティが直線の中盤で逃げるキセキをかわして早々と先頭に立つが、外から渾身の末脚を繰り出したコントレイルは3歳ダービー馬・シャフリヤールに先んじる形で先行する馬を次々とかわし、2馬身の差を付けてゴールを駆け抜けた。
レース後には引退式が行われ、大勢の観客に惜しまれながらターフを去ることとなった。
コメントをかく